腰は腰椎と呼ばれる5個の骨からなり、椎体と呼ばれる部分が主に体を支える役目を果たしています。そして、それぞれの椎体の間にはクッションの役目を果たす組織があり、これを椎間板と呼びます。椎間板ヘルニアは比較的若い年代(青、壮年期)、特に男性に多いのが特徴です。腰痛と一方のおしりから太ももの裏、ふくらはぎにかけての坐骨神経に沿って鋭い痛みを伴います。痛みがひどくなると重労働はもちろん階段の上り下りやいすに座る、車に乗るといった日常の動作もしづらくなります。

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の原因は

 椎間板は線維輪と髄核との2重構造になっていて、中心にある髄核というゲル状の組織が、腰への急激な負担などがきっかけで線維輪を突き抜け、腰の神経を圧迫し、腰痛や下肢痛を起こすのが椎間板ヘルニアです。

 働き盛りの年代の患者さんにとって、腰痛で日常生活にも影響するため深刻な問題となります。痛くて動けない間は仕方ありませんが、少し和らげば安静にしすぎるのもよくありません。

治療や療養に関してのアドバイス

 痛みがひどいうちは安静臥位にし、まず椎間板にかかる負担を軽くすることが大切です。その際、骨盤にベルトをつけ下方へ引っ張る「持続牽引」という方法と、薬物による治療を併用して痛みや炎症を抑えます。疼痛が強い時には神経根ブロックや硬膜外ブロックを行います。これで1~2週間様子を見て、痛みがなくなれば、今度は「間欠的牽引」や温熱療法、腰痛体操、コルセットによる装具療法で2、3ヵ月かけて少しずつ日常生活に復帰できるようにします。それでも痛みが続いたり、再発したりして社会生活上の制限が著しい場合には手術治療もあります。
 普段から適度な運動をすること、腰痛体操で腹筋や背筋を鍛えること、腰に急激な負担をかけないよう気を配ることが大切です。

  • 普段から適度な運動をする。
  • 腰痛体操で腹筋や背筋を鍛える。
  • 腰に急激な負担をかけない。
  • 椎間板ヘルニアになったら、安静・持続牽引・薬物療法・ブロック療法を。
  • その後、間欠的牽引・温熱療法・腰痛体操・コルセット
  • さらに手術治療を考える。

どこの科にかかったらよいか

整形外科を受診してください。