糖尿病は、若年に起こるⅠ型と、中高年から起こるⅡ型があります。糖尿病のほとんどがⅡ型です。治療しないで放っておくと体は少しずつ糖尿病に蝕まれて合併症が起こりやすくなります。糖尿病の合併症は腎機能低下、神経障害、網膜症です。合併症の一つである網膜症は、糖尿病が発症して5年以上経つと起こる可能性が高くなり、25年経つと80%の人に見られるといわれています。しかしながら網膜症は、非常に高度になるまで自覚症状が出ないため眼科受診が遅くなってしまうことがあり注意が必要です。

糖尿病網膜症の症状は

    糖尿病網膜症はその重症度から3つの段階に分けられます。
  1. 単純網膜症
  2. 前増殖網膜症
  3. 増殖網膜症

単純網膜症は毛細血管瘤などを生じますが、ほとんどの場合視力は下がりません。前増殖網膜症では白斑と出血が増えますが、この時点でもほとんど視力は下がりません。しかし、この時機に網膜光凝固治療を行い、網膜症の進行を抑えることが重要です。

増殖網膜症になると黄班部の浮腫や出血で視力が落ちてきます。網膜に新生血管が発生し、硝子体出血や網膜出血、網膜剥離、緑内障が起こります。この時機は広い範囲の網膜光凝固術と硝子体手術が必要です。網膜症の進行は若い人ほど早いようです。

この段階のうちいつでも起こる糖尿病黄班症にも注意が必要です。黄班症は物を見る中心部の黄班部に浮腫が起こり視力が下がります。

治療や療養に関してのアドバイス

糖尿病網膜症は眼底検査で発見されます。糖尿病の眼底検査は、糖尿病のコントロール状態にもよりますが、網膜症のない方は半年~1年に1回、単純網膜症では3ヵ月~6ヵ月に1回、前増殖網膜症は1ヵ月~3ヵ月に1回、増殖網膜症では2週間-1ヵ月に1回の目安で検査を受けて下さい。

血糖コントロールが不安定な状態、たとえば高血糖や低血糖発作を繰り返す方は網膜症が進行しやすいようです。網膜症があり血糖が高い場合はゆっくりと下げることが必要です。しかし、最近では糖尿病の新しい治療薬が登場し、網膜症がない場合は比較的早く血糖を下げることができるようになってきました。

糖尿病の治療は、食事と適度の運動、そして投薬です。急に症状が出現しないので自分に甘くなりがちですが、日頃から気をつけて血糖コントロールに努めましょう。血糖コントロールが良好な人は網膜症が発症しないことも多いようです。

また、糖尿病黄斑症には、抗VGEF抗体などの硝子体注射など新しい治療が良く効く場合がありますので、網膜症の加療に平行して黄斑症にも注意が必要です。

どこの科にかかったらよいか

かかりつけの先生と相談して

糖尿病専門医・内科医さらに眼科医