2019年12月に中華人民共和国湖北省武漢市で発生した新型コロナウィルスによる感染症は、わずかな期間で中国国内から日本を含む世界各国で広がりました。
この感染症に関してわかってきたこと、不明なこともありますが、兵庫県医師会としては正しい情報を的確にお伝えしたいと思います。
予防について
現在ワクチンはありません。
手洗いやアルコール消毒といった基本的な感染防御対策が大切となります。
一方ネット上などでは、科学的根拠のない予防法が散見されますが、確実な方法で予防に努めてください。
現時点で新型コロナウイルス感染症の予防に関して有用な冊子を紹介しますのでご参照ください。
東北医科薬科大学病院刊 新型コロナウイルス感染症~市民向け感染予防ハンドブック
(東北医科歯科薬科大学病院ホームページより)
検査について
現在確定診断のための検査は、ウイルスのRNAをPCR法で増幅して検出します。
兵庫県の検査機関でも行っていますが、例えばインフルエンザの迅速診断のようにその場で結果がわかるものではありません。
また希望すれば全員が受けられるわけではなく、医師と保健所が必要と判断した患者さんに対して感染症指定医療機関でだけ行うこととなっています。
現時点で一般の医療機関を受診しても一切検査は受けられません。
そして検査結果の解釈にもご注意ください。
検査で陽性と出れば、コロナウイルスに感染性している可能性があります。
しかし、検査で陰性であっても感染していない証明にはなりません。
つまりその時点で「検査が陰性」というだけで、将来何日間大丈夫という保証にはなりません。
なお、最近になって、このPCR検査を医療保険の対象とし、民間検査所でも可能とするとの報道がなされ、あたかも一般医療機関でも検査が出来るようなイメージがマスコミ等から流されていますが、現時点でそのような検査態勢は出来ておりません。
簡易キットも出来ておらず、また、検体採取から搬送には極めて厳格な対応が求められますので、上記の流れ以外に、一般医療機関が扱う事は出来ませんので、検査目的のみで受診することは避けてください。
受診に関して
厚生労働省が示している「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」に従って相談し指示に従ってください。
1.相談・受診の前に心がけていただきたいこと
・発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える。
・発熱等の風邪症状が見られたら、毎日、体温を測定して記録しておく。
2.帰国者・接触者相談センターにご相談いただく目安
以下のいずれかに該当する方は、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方
(解熱剤を飲み続けなけれぱならない方も同様です。)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
なお、以下のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合には、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
・高齢者 ・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方や透析を受 けている方・免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方 ・妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
小児については、現時点で重症化しやすいとの報告はなく、新型コロナウイルス感染症については、目安どおりの対応をお願いします。
なお、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等にご相談ください。
3.相談後、医療機関にかかるときのお願い
帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。
複数の医療機関を受診することはお控えください。
医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット (咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、 口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。
コロナウイルス関連感染症に関する問い合わせ窓口
※2月7日(金)よりフリーダイヤル化されております。
Q&A
厚生労働省
新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(一般の方・医療機関検査機関の方向け)
新型コロナウイルス感染症に関する事業者・職場のQ&A(事業者・職場のQ&A)
兵庫県
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