角膜は一般的に「くろめ」と言われ、その厚みはわずか0.5mmの薄い透明な膜で出来ています。
病気などで透明な角膜に濁りや変形、腫れが生じ、視力低下や、痛みがある場合の治療に、最終手段の一つとして角膜移植があります。お亡くなりになった方から透明な角膜をご提供いただき、傷んだ角膜と取り換える手術が角膜移植です。現在では、角膜のすべての層を移植する方法に加え、角膜の一部の層だけを移植する部分移植が行われています。また、大切な細胞だけを移植する方法なども研究、開発されています。

角膜移植の適応は?

角膜の濁り、腫れ、変形があり、他に治療法がない場合に適応となります。代表的な病気として、水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)があります。角膜が腫れないように働いている細胞(角膜内皮細胞:かくまくないひさいぼう)が減ったり、働きが低下すると、角膜が腫れて濁り、その結果、視力が低下し、徐々に痛くなることがあります。角膜内皮細胞は失われても再生することがありません。角膜が変形する病気の代表としては、円錐角膜(えんすいかくまく)があげられます。進行すると角膜が薄くなり、前方に突出してきます。変形が強くなると視力を矯正することが難しくなります。角膜が濁る原因は様々ですが、水疱性角膜症の他に、外傷や感染症などがあります。このほか遺伝性の疾患により角膜に濁りが生じる場合があります。

 

角膜移植の問題点は?

角膜のすべての層を移植する角膜全層移植では、手術の後に強い乱視、感染、拒絶反応などが生じる可能性があります。取り換える角膜を縫うために多少の乱視は必ず発生します。また、手術の時には傷ができるため、どうしても感染症が発生する危険性は避けられません。眼球が変形する外傷にも非常に弱くなります。それ以外に、自分以外のものから自分を守る力(拒絶反応)が働いてしまうと、移植した角膜が機能不全になるため、長い経過観察が必要です。
これらの問題点を軽減するために、近年では角膜の一部の層だけを移植する部分移植が症例を選んで行われています。また、新たな治療法なども研究、開発されています。

どこで相談すればよいか?

角膜移植の手術を行っている施設は、限られていますが、最初に症状・所見を診察、病気の診断、手術の適応を正確に行う必要があります。まず、お近くの眼科専門医に受診していただき、ご相談ください。

角膜移植には、角膜のご提供が不可欠です。角膜移植に対するご理解、角膜のご提供へのご協力をお願いいたします。