健康アドバイス

高齢者の膝の痛みの代表・変形性膝関節症

 年をとるにつれて体の節々(特に膝の関節)が痛み、階段の上り下りや長時間の歩行などがつらいという人が増えてきます。これは骨と骨との間にある軟骨が摩耗することによって関節が変形するために起こるもので、「変形性膝関節症」といいます。ひどくなると、水がたまり関節が腫(は)れてきます。 変形性膝関節症の原因は 関節が一度変形してしまうと元の状態に戻すことはできませんが、症状を和らげることは可能です。 治療や療養に関してのアドバイス 適度な体操と保温、減量の努力で膝の痛みはかなり和らぎます。 どこの科にかかったらよいか 痛みの強いときは整形外科医に相談して下さい。また、膝の体操などの指導も受けましょう。

成長期に膝を押すとグッと痛いオスグット病

 10~15歳ぐらいの子供が膝の痛みを訴える場合、オスグッド・シュラッター病という病気がよくみられます。膝の皿(膝蓋=しつがい=骨)の下の少し膨らんだところが腫(は)れて痛みを訴えます。サッカーやバレーボール、野球など足をよく使う子供にしばしばみられる病気です。 若い人の長びく膝の痛みの原因は  成長期にスポーツは肉体面・精神面の発育に重要な役割をはたしています。しかしながら、過度の訓練や無理な動作の繰り返しにより、発達途上の運動器に重大な障害をきたすことがあります。 オスグッド・シュラッター病の原因:骨が十分に成長していないために脛(すね)の骨に力がかかり過ぎて炎症を起こすために痛みます。その他の膝の痛みの原因: ※中年以後の人の膝の痛みは、変形性膝関節症などの病気もあります。 治療の基本「局所の安静」 過剰な練習や無理な動作の繰り返しによって生じる慢性的な筋肉や腱の炎症などのいわゆる”

性器クラミジア感染症と言われた

 この病気はセックスによって感染する「性感染症」で病原体はクラミジア・トラコマチスという微生物です。最近、特に10代、20代の若い男女の間で感染者が増えています。感染していてもほとんど症状が無いことが、この性感染症が広がる大きな原因です。 この病気の恐い所は自覚症状に乏しいため、気付かないうちに病状が進んで行くことです。子宮の入り口に食い込んで巣をつくった病原体はやがて卵管を通ってお腹の中に入り、肝臓の周囲にまで炎症を起こすことがあります。知らず知らずのうちにお腹の中に広まった炎症は、突然腹痛を伴う急性腹膜炎を発症することすらあります。その頃にはすでに卵管が詰まり妊娠出来なくなってしまっていることもあり、将来妊娠を望む女性にとっては非常にやっかいな病気です。 原因は  クラミジアの一種であるクラミジア・トラコマチスが、性交・オーラルセックスなどによって、尿路や性器に感染することで起きます。

閉経後の膣乾燥感、性交痛、頻繁な尿意

 閉経して数年経つと色の付いたおりものや出血、さらには性交痛を訴える女性が多くなります。これは女性ホルモン(エストロゲン)の低下によっておこる症状です。女性ホルモンには膣の粘膜に潤いを与え、細菌から膣内を守り、きれいにする働きがあります。(膣自浄作用) ところが、閉経して数年経つと卵巣からは女性ホルモンが分泌されなくなります。そのために閉経後は、膣の粘膜が乾燥、萎縮して炎症を起こしやすくなります。これを萎縮性膣炎といいます。 萎縮性腔炎原因は  別名「老人性膣炎」とも呼ばれるように、閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することによって起こります。エストロゲンには、膣粘膜を潤して厚く丈夫に保つ働きがあります。これが減少することによって、膣からの分泌液が減り、腔が乾燥、萎縮し、粘膜が薄くなり、性交時の刺激などで出血しやすくなります。性交痛も膣炎も、エストロゲンの減少が原因なのです。

突然の関節の痛みと腫れ

痛風とは、血液の中の尿酸が増えて、血液に溶けきれない尿酸が関節内で尿酸塩結晶となって関節炎を起こす病気です。足の親指の付け根などの関節が急に赤く腫れて、痛みのために歩くことができなくなります。 痛風の原因は 尿酸の過剰産生 尿酸の(腎)排泄低下 ストレス、疲労、アルコールの飲み過ぎ、肥満 治療や療養に関してのアドバイス 痛風の有病率は人口あたり0.4%です。同一家系内に多く、壮年の男性に見られる病気ですが、最近は20歳代の若年層にも見られるようになってきました。痛風発作は安静にしているだけでも3~7日で痛みがなくなるので「治った」と思うのですが、発作は治っても高尿酸血症はそのままなのでまた発作を繰り返します。慢性化すると、関節の周りや皮膚の下に結節(痛風結節)ができ、腎臓にたまった結晶により腎臓の働きが悪くなり(慢性腎臓病)、尿路結石ができます。高血圧、高脂血症、心血管障害、脳血管障害の合

卵巣が腫れていると言われた

 卵巣の内部に分泌物などが溜まって腫れる良性の腫瘍を「卵巣のう腫」と言います。溜まった内容によっていくつかに分類されています。髪の毛や歯、骨、脂肪などが含まれているのが、「皮様のう腫」。子宮内膜症が原因で、中に血液が溜まった「チョコレートのう腫」。サラッとした液体が溜まった「漿液性のう腫」、ゼラチンのようにドロドロした粘液が溜まった「粘液性のう腫」などいろいろな種類があります。 卵巣のう腫の原因は 卵巣のう腫の多くは、その原因は良く分かっていません 治療や療養に関してのアドバイス  卵巣は骨盤の中にある器官ですから何か異状がおきてもなかなか自覚症状が現れず、妊娠や生理不順、不正出血など別のことで産婦人科を受診した時に、たまたま見つかることがよくあります。 下腹部の痛みなど症状が出てきた時には、卵巣はすでに「こぶし大」程にはれていることが多いです。子宮癌検診と同じく卵巣の検査も定期的に受ける

子宮膣部びらんと言われた

 びらんとは皮膚や粘膜の表皮が欠損し、下部組織が露出した状態をいいます。ただれているという意味です。しかし子宮膣部びらんは子宮の入り口がただれているという意味ではありません。びらんのように見える場所があるという意味です。 子宮膣部びらんとは  子宮膣部は、皮膚、外陰部、膣などと同じ扁平上皮でおおわれています。子宮膣部より奥は円柱上皮で覆われています。円柱上皮の部分は下の血管が透けて見えるので、唇の裏側と同じようなピンク色をしています。 女性ホルモン(エストロゲン)が活発に働くと、子宮膣部がふくらんで子宮頚管内側の円柱上皮の部分が外側に張り出してきます。この部分がびらんのように見えるのでこれを子宮膣部びらんといいます。性成熟期の女性の8~9割にみられます。 したがって子宮膣部びらんは病気ではありません。誰でも月経がある間はあっても当たり前のものです。更年期になって女性ホルモンが減少すると、次

乳児の皮膚の赤いあざ

 出生時から、または生後1~2週頃から出現する赤いアザは血管系の先天異常によるものです。 よくみられる血管腫 治療や療養に関してのアドバイス どこの科にかかったらよいか 皮膚科または形成外科

子どもの脈の乱れ

 心臓は規則正しく打っているわけではありません。息を吸うと速くなり、吐くと遅くなります。激しい運動後は脈が速くなり、寝ている間は遅くなります。このように心臓に何の病気もないのに脈を打つテンポが呼吸によって不規則になることを「呼吸性不整脈」と呼びます。子供の場合、呼吸によって脈が速いときと遅い時の差が大きく、手首などで脈を取った場合「不整脈」と診断されることがあるようです。 3-4才から10才までの子供の呼吸性不整脈  子供の脈は呼吸によって早くなったり遅くなったりします。脈が乱れていると言われたら、必ず専門医で心電図験査を受けましょう。その結果「呼吸性不整脈」と診断されれば特に心配することはありません。 治療や療養に関してのアドバイス 現在は小学1年、中学1年、高校1年で心電図検査が義務づけられています。 その時期で様子を見るようにしましょう。  呼吸性不整脈はあまり心配のない状態です。日

ママ、夜、足が成長痛で眠れないよー

 ケガなどの原因がはっきりしないのに、夜に下肢を痛がります。幼稚園から小学校3、4年ごろまでのお子さんが多いようです。一般に「成長痛」と呼ばれています。 「成長痛」の原因は? 原因ははっきりしていません。成長時には骨と筋肉の成長のスピードが異なり、夜間に骨の方が筋肉よりも早く成長し、そのアンバランスで痛がるとか、神経質な子供に多いとか、長男に多いとか、いろいろいわれています。 「成長痛」なら心配ない!!他の病気との区別が大切です 治療や療養に関してのアドバイス 他の病気が関係していないかを診断  「成長痛」の痛みは、夜間によく生じます。痛い場所は、下肢です。下肢痛のときには、以下の疾患が考えられます。成長痛・小児リウマチ・骨の腫瘍・以前の怪我による変形・先天的な奇形・スポーツによる膝関節の損傷 どこの科にかかったらよいか まずは、整形外科の先生に尋ねて下さい。必要により 専門医(小児整形外