健康アドバイス

潰瘍性大腸炎(粘液混じりの血便や下痢)

潰瘍性大腸炎の原因 大腸に炎症が起きる潰瘍性大腸炎は、医療費の一部が公費負担される特定疾患(難病)の一つで、詳しい原因は分かっていません。 治療や療養に関してのアドバイス 粘液混じりの血便や下痢を生じ、全ての年齢で発症します。多いのは20~30代で、患者数は国内に10万人を超えており毎年増加しています。一度の治療で治る人もいますが、再発を繰り返す人もあり、寛解状態を長く保つことが治療の目的です。軽症では炎症を抑える薬で、重症例ではステロイド剤を大量に使用し副作用の危険を抑えるため免疫抑制剤を併用します。抗リウマチ剤の「レミケード」が医療保険の適応になり、患者によって劇的に改善する場合があるようです。「血球成分除去療法」(腸の炎症を起こす白血球を透析のように除去する)も有効です。さらに出血がひどい場合手術となります。大腸を全部切り取り、小腸で袋を作って直腸の代用とします。 どこの科にかかると

赤ちゃんの目が寄っている

生後3カ月になりますが目が内側に寄っています。斜視でないか心配です 赤ちゃんは、生まれて2-3か月頃から両方の目でものを見始め、視線もそろう様になります。この時期以降、たとえば4ヶ月健診の時点で目が内側に寄っている場合は内斜視を疑います。生後早期に発症する内斜視に乳児内斜視があります。原因は諸説ありはっきりしていませんが、ずれの程度が大きいことが多いのが特徴です。また、両眼で見る脳機能の発達の障害が考えられています。一方、両眼で見る機能の発達には問題がなく、目を動かす筋肉やその神経の先天異常が原因で起こる斜視もあります。これを先天性眼筋麻痺と言い、生後すぐから内斜視や上下斜視を伴う場合があります。1歳以降の発症では、遠視が原因で起こる調節性内斜視があります。斜視を放置しておくと弱視になってしまったり、両眼で見る機能の発達が障害されて斜視の治療が難しくなります。 斜視の種類 生後早期に発症す

血液検査でLDLコレステロール値が高い

LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉と言われていますが、そもそもコレステロールは体を構成する細胞を包む細胞膜や各種ホルモン等の原料であり、体を維持するために必要なものです。 コレステロールは人体の維持に必要ではありますが、”あぶら”なので、そのままの形では水に溶けません(体内には保てません)。そのため水と親和性のある蛋白質と結合し、水に馴染みやすい安定なリポタンパクとして、血液中に存在しています。各種ありますが、有名なのが低比重リポ蛋白(LDL: Low Density Lipoprotein)と、高比重リポ蛋白(HDL:High Density Lipoprotein)で、コレステロールを運搬します。 HDLに運ばれているコレステロールをHDLコレステロール、LDLに運ばれているコレステロールをLDLコレステロールと呼んでいます。 このLDLとHDL2つのリポタンパクは

じんましん(皮膚の痒みと腫れ)

じんましんは、皮膚が蚊に刺された時のように、少し赤くふくれてくるものです。地図のように様々なかたちをして、数十分から数時間腫れが続き、痒みを伴います。治療により、すぐに治まって再発しない場合を急性型、一ヶ月以上繰り返す場合を慢性型といいます。 「じんましん」の原因は じんましんの原因には、いろいろなタイプがあります。 症状が長引く時はじんましんではない時があります。 治療や療養に関してのアドバイス じんましんが出ている時は、入浴や激しい運動でかゆみが強くなりますので注意して下さい。 じんましんの薬の効果には個人差があります。自分に合う薬で上手にコントロールし、じんましんの悩みから解放できるように主治医とご相談下さい。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科または内科を受診して下さい。

手足が震え、前屈みでちょこちょこ歩く

 50~60歳代に多く、1万人に5~8人程度の頻度で見られるパーキンソン病は脳の病気です。症状として主なものは下記の通りです。 パーキンソン病の原因 脳の一部(中脳の黒質という場所)で作られるドーパミンという神経伝達物質が減少するために神経細胞同士の情報伝達の障害が起こり、手足の動き、体の動きが悪くなってきます。何故そうなるのかは今の所よく分かりません。 治療や療養に関してのアドバイス パーキンソン病は難病に指定されています。したがって医療費には、補助が出ますので、最寄りの保健所か健康福祉事務所に相談してください。歩行障害のため、転倒、骨折することもあり注意が必要です。最終的には寝たきりになる場合もありますが、近年、ドーパミンの補充療法以外の様々な薬理学的機序のパーキンソン病治療薬が開発され、薬物治療の選択肢が増えたことは朗報です。緩慢に進行していく難病なので患者さん本人も家族も焦らずに対

見えにくいと感じたらもう遅い、糖尿病の合併症

 糖尿病は、若年に起こるⅠ型と、中高年から起こるⅡ型があります。糖尿病のほとんどがⅡ型です。治療しないで放っておくと体は少しずつ糖尿病に蝕まれて合併症が起こりやすくなります。糖尿病の合併症は腎機能低下、神経障害、網膜症です。合併症の一つである網膜症は、糖尿病が発症して5年以上経つと起こる可能性が高くなり、25年経つと80%の人に見られるといわれています。しかしながら網膜症は、非常に高度になるまで自覚症状が出ないため眼科受診が遅くなってしまうことがあり注意が必要です。 糖尿病網膜症の症状は 糖尿病網膜症はその重症度から3つの段階に分けられます。1.単純糖尿病網膜症2.前増殖糖尿病網膜症3.増殖糖尿病網膜症 単純糖尿病網膜症は毛細血管瘤などを生じますが、ほとんどの場合視力は下がりません。前増殖糖尿病網膜症では白斑と出血が増えますが、この時点でもほとんど視力は下がりません。しかし、この時機に網膜

目が開けにくく、けいれんする

 まぶたがぴくぴくすることがあります。これを「眼瞼ミオキミア」と言います。これは、目が開けにくくはなりません。通常は数日から数週間で自然に治まります。 それに対して、治療が必要な病気は二つあります。「片側性顔面けいれん」と「眼瞼けいれん」です。 片側性顔面けいれんは、まぶたの症状に加えて、同側の頬、口角がピクピク動いてしまいます。通常片方だけおこります。眼瞼けいれんは、まばたきが増え、目が開けづらくなり、まぶしさを感じたり、ゴロゴロしたりします。ドライアイの症状と似ているところがあります。 病名にけいれんとありますが、ぴくぴくが目立たないことも少なくありません。目をつぶるのは問題ないのですが、開けづらくなります。眉間にしわを寄せ、力を入れながら目を開けなければならない状態です。治りにくい病気です。 治療や療養に関してのアドバイス 治療は「ボツリヌス療法」が中心です。ボツリヌス菌という細菌の

頸部超音波検査で甲状腺に腫瘍が見つかった

 首の超音波検査で甲状腺に腫瘍が見つかりました。大病院で精密検査を受け良性といわれましたが、このままでいいでしょうか? 甲状腺腫瘍 甲状腺は喉のあたりにある内分泌器官で、新陳代謝を促し交感神経を刺激する「甲状腺ホルモン」を分泌します。甲状腺にできる良性腫瘍は 治療や療養に関してのアドバイス 細い針を腫瘍に刺して細胞を取り出し腫瘍の種類を判定する「針生検」などで良性の確定診断ができていれば手術は必要なく、経過観察で良いとされています。しかし、針生検の結果、 などの場合は良性でも摘出術を行います。 アイソトープ(放射性ヨード)治療プランマー病に対し放射性ヨードの内服を行うことにより、腫瘍が縮小したり、ホルモンの分泌を抑えることができます。 液体吸引除去甲状腺のう胞ではのう胞内の液体を吸引除去し、エタノールを注入します。 どこの科にかかるとよいか まずはかかりつけの内科医、外科医、耳鼻科医に相談

甲状腺の腫れ、発熱、発汗、手の震え

首の前部にある甲状腺が大きくなるバセドー病は、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが増え過ぎ、いろいろ不快な症状を起こします。 バセドー病の症状は あなたも甲状腺も働き過ぎ!長い人生のんびり行こう! 治療や療養に関してのアドバイス バセドー病の治療は増えすぎた甲状腺ホルモンを抑える薬を飲む事から始まり、飲み始めて2週間程度で各種の症状の改善が見られます。しかし薬をやめると元に戻るので最低でも2年間服用します。最小量の薬の服用で半年以上甲状腺機能が正常に保たれていれば薬の中止を検討します。薬だけでは症状が改善されない方、薬で副作用がでた方、薬以外の治療を望まれる方には、手術による甲状腺の摘出やアイソトープ(放射性ヨード内服)治療を行います。 長い人生にもっとも適した治療を選択しよう! どこの科にかかったらよいか 内分泌・代謝専門の内科

人間ドックで肝臓に血管の腫瘍?!

血管腫とは細い血管が無数に絡み合ってできた腫瘍状の塊で、ちょうどスポンジのような構造で血液を多く含んでいます。血管腫になる原因は不明ですが、先天的な要素が強いとされています。  ドックで肝血管腫の疑いの原因は 肝臓には多くの血管が集まっているために、血管腫が特にできやすく、これを「肝血管腫」と呼びます。人間ドックで見つかる肝臓の異変としては脂肪肝、肝のう胞に続いて多く見られます。 血管腫は良性の腫瘍で、痛みなどの症状がないことから放置しておく場合がほとんどです。 治療や療養に関してのアドバイス ごくまれに、肝血管腫とよく似た形態の肝がんがあります。血管腫の大きさはふつう4センチ以下で、短期間に大きさが急に変化することはありません。一方、肝がんは発育が早く、わずかな期間で急激に大きくなります。「3ヵ月後の再検査」は、肝がんが隠れていないかどうかを確認するのが主な目的です。再検査の結果、前回と