

卵巣のう腫は自覚症状が現れにくいため発見が遅れがちなものですが、ほとんどが良性、もしくは良性と悪性との中間です。ですから、手術の際も腫瘍の部分だけを摘出して、できるだけ卵巣機能を残そうとするのが一般的です。
卵巣摘出後にうつ状態になるのは、多かれ少なかれだれにでも見られます。
卵巣を摘出したという心理的なショックもさることながら、卵巣から分泌されていたホルモンが欠損してしまうからです。(卵巣欠落症状)

卵巣からは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストロン)という2種類のホルモンが分泌されています。これらのホルモンは、一言でいうと「若さを保つ」役割を果たしています。卵巣を摘出すると、この役割が全く欠けてしまい、肩凝りや頭痛、不眠、顔のほてりなどの更年期障害のような症状が現れます。さらに、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの心臓血管系の病気や骨粗しょう症なども進行し、尿失禁や性交痛、うつ状態などを訴える人も多いです。 卵巣欠落症状の人や、更年期を迎えた人には、分泌されなくなったホルモンを補い、体のバランスを保つ治療が必要となります。それを「ホルモン補充療法」と呼び、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つのホルモンを単独、または組み合わせて服用する方法です。この治療の確立によって、更年期障害が改善され、心臓血管系の病気や骨粗しょう症の予防、うつ状態の改善などが指摘されています。

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