拡張型心筋症で「植え込み型除細動器」の手術を進められています。どうしたら良いでしょうか?

 命にかかわるような危険な不整脈がみられる場合、植え込み型除細動器(ICD)はとても有効な予防手段です。不整脈にはさまざまな原因がありますが拡張型心筋症も心臓の収縮障害を起こし、息切れや疲労感があり心室頻拍が出ているようならICDの手術を考慮します。

植え込み型除細動器(ICD)とはどのような機械ですか?

 心臓は1日に約10万回も拍動しています。電気信号がうまく伝わらず拍動が早すぎたり遅すぎたりして不規則になるのが不整脈です。心臓のリズムが狂った状態が続くと失神したり胸が苦しくなって死亡する危険性もあります。ICDはそのような危険な不整脈を検知し、ペースメーカーのように電気刺激を出したり、電気ショックを行って脈を正常に戻します。

手術はどのように行うのですか?

 一般的に手術時間は2~4時間程度で行われていることが多いです。胸の皮膚を5cmほど切ってICDの機械を植え込み、電気信号を伝えるリード線を静脈から心臓まで挿入します。術後は3か月から半年に一度程度機械をチェックし、作動状況にもよりますが5~10年で機械を交換することになります。また、左右の心室で収縮のタイミングがずれる患者向けには両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(CRT-D)という機械もあります。
 いずれも保険適応が認められていますが、手術ができる医療機関が決まっていますので循環器専門医の先生に相談してください。